不登校親子の気持ちや様子がわかる漫画

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最近も、不登校の家庭と関わることがあり、本人と親御さんは、どんな気持ちなんだろうということを詳しく知りたいと思うようになりました。もちろん事情も感情も人それぞれだとは思うけど、想像力を働かせるための参考になる素材がほしいなと思ったのです。

一般論としての「不登校」については、ある程度話を聞いたこともあるけれど、本人や家族から見えている世界は詳しく知らないし、知りたいなと思ったのです。

様子が詳細にわかるし、丁寧だなと感じたのは、コミックエッセイといわれる漫画。その中でも特に印象に残った1冊をご紹介します。

娘が不登校になりました。「うちの子は関係ない」と思ってた / 小林薫さん

中学2年生になる娘が、ある日突然朝になると「おなかが痛い」と布団の中から出てこず、学校にいかなくなってしまった。原因は学校なのか、家庭環境なのか、友達によるいじめなのか、それとも娘自身なのか……? 学校への相談、フリースクール通い、私立中学への転入など漫画家の母が、娘のために奔走した日々を描くコミックエッセイ。 Amazonの紹介文より

娘のことを思いつつ、私学の費用に落ち込んだり、娘にいらいらしたりする作者の様子がリアルです。私が気付きを得たことを書いていきます

学校を変えたら通えるようになることもある

娘が不登校になりました。「うちの子は関係ない」と思ってた/小林 薫(ぶんか社)P97

最初の公立中や、編入先の私立中には通いたくなくても、好きなフリースクールなら通える、というシーンが出てきます。
外に出るのが怖い、人と話すのが苦手など、通学全般が辛い子もいるのかもしれないですが、
先生との相性とか、授業スタイルとか、その子が気になるポイントによっては、学校を変えることで通学が苦でなくなることもあるのだなと知ったシーン。

話を聞こうとしてくれる人がいなかったことに母が傷ついていた

的外れのアドバイスや押し付けの意見傷ついた、という話はよく聞きます。
この本の中では、その逆ともいえるパターンが出てきました。

娘が不登校になりました。「うちの子は関係ない」と思ってた/小林 薫(ぶんか社)P24
~公立の中学からは、学年主任や担任の先生、カウンセラーから「学校へきてください」といわれることはあっても、「家にきてくれる人」はひとりもいなかった。いや、一年担任の先生がきてくれたことはあるので、正確には「家にきて、娘の話を聞こうとしてくれる人」は、ひとりもいなかった。今は、学校側も生徒の家庭とのトラブル回避のため、関係に慎重になっているのはわかる。しかし、あの時、ひとりでも学校関係者が娘としっかり話をしてくれたらと「もしもの話」を、いまだに想像してしまうことがある。~
娘が不登校になりました。「うちの子は関係ない」と思ってた/小林 薫(ぶんか社)P26 Column 母のつぶやき②より

これは自分もやりうるかも、と思ったため、はっとしました。
不登校の親子に会った時も、会話に入ってこなかった子供に無理に話しかけるのもよくないと遠慮し、その後はお母さんとばかり話してしまったのですよね。
だけどもしかしたら、面倒を避けているように思えたり、関心がないように感じられたかもな…と思い出して一人反省をしました。

もちろん、どの程度関わってほしいか、その人の性格、相手との関係性、タイミングにもよるでしょう。
でも、「あなたのことに関心を持っているし、何を考えているか知りたいと思っているよ」とちゃんと伝えていくことは大事かもしれないなと思ったのでした。

自分で行きたいと思っても行けなくなることもある

一番心に残ったのがこのシーン

娘が不登校になりました。「うちの子は関係ない」と思ってた/小林 薫(ぶんか社)P105

最初に入った学校ならともかく、本人の意思も踏まえて転校したなら通えるのではないかな、と思っていたので、予想外の流れに。
でもこのシーンを見て、娘さんの気持ちが表れているように感じました。
「普通の学校に行った方がいい」「家族の期待に応えたい」そう思っているから、多少の違和感は無視して、通えるはずと自分にも言い聞かせて頑張っていたんだろうなぁ。
他にも、本人も心底行けると思っていたけれど、通ってみたら違った…という場合もあるでしょう。

「自分で選んだ学校だから」「一度は本人が行くって約束したんだから」そう思う周りの気持ちはわかるけれど、その通りにはいかないですよね。
意思確認をした後って、なんだか鬼の首をとったように「自分で言ったよね!?」って責めてしまいがちだけど、ちがうよなーって思ったのでした。

リアルな葛藤も喧嘩も出てきます

他にも、リアルな喧嘩の様子も、母のいら立ちも出てきます。一般論では「言わない方がいい」とされることでも、当事者だから描けることがあるなーと思いました。
他にも「親にも(もしかしたら本人にも)不登校の本当の理由はわからなかった」など、素人には知らないことをたくさん教えてくれる漫画でした。

私は、親子の気持ちに焦点を当てて読んでいましたが、作者がとった行動や進学の選択肢も具体的に出てくるので、実際に行動を考える立場にいる人にはそれも参考になると思います。

ちなみに私はKindle Unlimitedで読ませていただきました。

「月980円で対象本が読み放題」がうたい文句のこのサービス。
正直使い勝手はあまりよくない、、と感じることもあるのですが、個人的には新しい本との出会いとも考えて楽しんでいます。コミックエッセイは読めるものも結構多いですよ。

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